ストキャスティクス
ストキャスティクス(以下ストキャス)は1950年代に米国のアナリスト、ジョージ・レーン氏が開発したテクニカル指標で、正式名称はStochastic oscillatorと言います。意味は「確率に基づくオシレーター」です。一定期間内の価格の相対的高さを数値にしたもので、%K、%D、スロー%Dという3本の線がありますが、通常はそのうちの%Kと%Dを使うファーストストキャスか、%Dとスロー%Dを使うスローストキャスかが使われることが多く、現在はスローストキャスが主流になっています。
%K=(現在値-N日間の最安値)÷(N日間の最高値-N日間の最安値)
%D=%Kの3日平均
スロー%D=%Dの3日移動平均
3、ストキャスティクスの計算式の意味
ストキャスの%Kは一定期間の値動きの中で現在の価格が下から何%の高さかを表したものです。例えば10日間とすると、その10日間の中で一番の高値と一番の安値を見つけ出します。すると当たり前ですが、この10日間の価格はその安値と高値で作られるゾーンの中で動いていたということになります。
その値動きゾーンの中で現在の価格が下から何%かを表したものが%Kです。シンプルですね。
例えば、現在の価格が過去10日間の中で一番の高値であれば、%Kは100%となります。現在の価格が一番の安値であれば%Kは0%となります。%Kが50%ということは現在の価格は過去10日間の値動きの中で丁度中間ということを表します。
RSIが100を付けるためには14日間、価格が上がり続けなければならず、そんなことはほとんどないので滅多に100近辺を付けない指標であるのに対し、ストキャスは簡単に100近辺を付けるということを理解する必要があります。
4、ストキャスの売買サイン
一般的には80%以上は買われすぎ、20%以下は売られすぎと言われますが、正しくありません。ストキャスは簡単に80%以上や20%以下を付ける指標だからです。
上昇トレンドでは当然のようにストキャスは80%超えます。下降トレンドではストキャスは20%を割り込みます。ですからストキャスを仕掛けのサインとして使うなら、20%を下回った状態から20%を超えてきた状態を買いサインとし、80%を超えていた状態から80%を下回り出した状態を売りサインとすることが適切です。
また%Kよりもゆっくりと変化する%D、%Dよりもさらにゆっくりと変化するスロー%Dを使う方が騙しが少なくなります。
ストキャスティクスについて
[1]50%を中心にして、70%(80%でも良い)以上を買われすぎ、30%(20%でも良い)以下を売られすぎと判断します。
[2]上昇相場で、価格が新高値をつけているにもかかわらず、ストキャスティクスがその動きに追従せず下降し始めた場合は、トレンド転換となる可能性があります。 (ダイバージェンス)
[3]下降相場で、価格が新安値をつけているにもかかわらず、ストキャスティクスがその動きに追従せず上昇し始めた場合は、トレンド転換となる可能性があります。 (ダイバージェンス)
[4]2本のストキャスティクスのライン(%Kと%D)のクロスを売買のサインとします。%Kが%Dを下から上抜いたら「買い」、%Kが%Dを上から下抜いたら「売り」になります。それぞれ、30%以下、70%以上での交差で信頼度が高まります
上記のストキャスティクスは反応が敏感であるため、より信頼度を高めるためにスローストキャスティクス(『%D』と『%SD)を用いることもあります。
※ ご注意
この「基本的な見方」は一般的なチャートの見方を解説したものです。この解説どおりに投資判断をしたとしても、必ず利益が上がることを保証するものではありません。投資に当たっては、お客様ご自身の判断でお願いいたします。
「表示・環境設定」メニューから「チャート」を選択すると「チャート設定」画面が呼び出されます。
左下のカラムにあるデフォルト設定メニューから「オシレーター系」>「ストキャスティクス」を選択すると、パラメーターや線の定義が行えます。
また、チャート画面の線上をクリックすると「テクニカル設定」画面が表示され、こちらの画面でもパラメーターや線の定義が操作できます。
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